研究概要 |
本研究はヘテロな計算機環境下で,ネットワークで接続されたPCを用いて並列処理を行うことによって,統計的な分析のための効率的な計算環境について提案を行うことを目的としている.本年度は,基本的には昨年度構築した研究室内の並列計算機環境を研究基盤としたが,昨年度の研究結果により大幅に性能の劣る計算機はやはり全体的なバランスを維持することが困難であることが分かったため,既設PCのうち低速な機械のCPUを更新し,ネットワーク環境の調整を行って計算機環境の改修を行った.その環境下で以下のような検討を実施した. 1)昨年度実装を行った時間予測法に基づくタスク管理手法について,時間予測手法の精度と信頼性の向上に関わる検討を行い,ワークプール手法と比較検討した. 2)ブートストラップ法,樹木接近法(CART)などの統計的手法に関するプログラムについて並列可能性やその計算粒度などに関する検討を進め,タスク管理手法との組み合わせ・整合性に関して検討を行った. 3)基礎的な統計計算の道具としての多重積分法や行列積や逆行列の計算の際に有効なアルゴリズについて調査をし,高次元区分求積法,Foxアルゴリズム,CPM法によるジョブ管理法,などの実装を試みた. 4)ブートストラップ手法のためのヘテロ計算環境下での並列計算シミュレーション・プラットフォームの実装を行い,離散多項カテゴリカルデータの超過変動における計算機集約的手法における検出力計算を行い,その有効性について確認した.
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