研究課題/領域番号 |
15500198
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生体生命情報学
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
倉田 博之 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (90251371)
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研究分担者 |
宮本 茂昭 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (40219811)
中川 裕之 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (80274562)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 拡散方程式 / 確率過程 / 時空間シミュレーション / システム生物学 / バイオインフォマティク / 画像解析 |
研究概要 |
現在、遺伝子や細胞内の部位にさまざまな物質で蛍光標識を行い、膨大な量の画像データが生産されている。画像解析システムの開発は、細胞内現象を生きた状態でとらえる強力な技術の革新をもたらしている。画像解析技術を用いて、ファイブロブラス細胞においてWAVE2とIRSp53が結合する様子を観察し、シグナル伝達経路の解明を行った。 一方、細胞内の分子の運動に関わる画像情報を基にして、細胞の時空間における生命分子ネットワークの動的挙動をシミュレーションする技術が重要である。細胞の時空間における拡散を考慮したダイナミックモデルの構築し、さらに確率的過程を導入するためのモデリング技術を開発した。ショウジョウバエ胚発生中のmRNAやbicoid, hunchbackなどのタンパク質の動的挙動、確率的挙動をシミュレーションすることに成功した。確率的挙動が、実験結果を正確に説明することがわかった。本研究で開発した手法は、より現実的な細胞シミュレーションを実現するだけでなく、ロバストネス、さらにはノイズが細胞内でどのような役割を果たしているのか、といった問題の解明につながる。今回提案した手法では、時空間を考慮するために偏微分方程式を採用しているが、ここでは一方向の拡散しか考慮していない。これを解決する手段としては、多数の異なる方向から細胞をスライスし、タンパク質を多方向に拡散させていくことが挙げられる。しかしながら、異なる多方向からのスライスは区画を指数関数的に増大させ、計算量も膨大となる。より少ないスライスでより現実的なシミュレーションを行うにはどうすればよいのか。今後検討の必要がある。
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