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2003 年度 実績報告書

細胞形態態化のシミュレーションシステム構築及びスパインの形態変化とシナプス可塑性

研究課題

研究課題/領域番号 15500201
研究機関早稲田大学

研究代表者

市川 一寿  早稲田大学, 理工学総合研究センター, 教授 (20343626)

キーワード脳・神経系の情報処理 / 細胞情報・動態 / 計算論的神経科学
研究概要

平成15年度は、細胞形態の変化を扱うことのできる世界で初めてのモデリング・シミュレーションシステム(A-Cell-MetaMorph、以下A-Cell-MMと呼ぶ)の開発、及び血管内皮細胞を例とした形態変化シミュレーションの最初の実施を目標とした。そのため細胞の形態変化を扱うアルゴリズムを開発し、A-Cell-MMを実装した。
開発したA-Cell-MMを用いて円形細胞の変形シミュレーションを行った。形態モデルは直径101μmの円形細胞を1μm×1μmのコンパートメント(総数8061)に分割した。各コンパートメントにはG-actin、F-actin、integrinを割付け、actinの重合による伸長、integrinのF-actinへの結合と輸送、integrinの接着、外力によるintegrinの剥離とactinの脱重合による分解をモデル化した。モデルにおける外力を、血管の膨張・収縮によって血管内皮細胞へ印加される外力と考えてシミュレーションを行った結果、外力と平行に伸びているF-actinの脱重合、外力と垂直方向へのF-actinの形成と紡鐘形細胞への変形をシミュレーションすることができ、培養血管内皮細胞での観測を再現することに成功した。さらに、細胞変形にともなって細胞内物質が予想以上に不均一になることを見出した。これはF-actinの伸長に影響する可能性があり、今後の詳しい解析が必要である。
一方、スパイン形態変化がシナプス可塑性に及ぼす影響を研究する前段階として、スパイン内の物質局在のシミュレーションを行った。その結果、細胞外信号によってA→B→Cの一連の生化学反応がトリガーされる場合、物質Bの拡散によって物質Cの局在性が増大することを見出した。もしこの現象がスパインの形態に影響されれば、形態変化とシナプス可塑性が直接関係すると予想される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] kazuhisa Ichikawa: "Localization of Activated Ca2+/calmodulin- Dependent Protein kinase II within a spine : Modeling and computer simulation"Neurocomputing. To be published. (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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