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2004 年度 実績報告書

物体属性の知覚における特微詳化と刺激文脈依存性-心理物理学的・計算論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15500203
研究機関筑波大学

研究代表者

酒井 宏  筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教授 (80281666)

キーワード視覚 / 知覚 / 第1次視覚野 / 心理物理実験 / 神経回路 / 大脳皮質
研究概要

視覚系において、抽出した特徴を群化して、その物体の属性を知覚する皮質過程を理解することを目的として研究をおこなった。本研究では、心理実験の結果を基にして、生理学対応が具体的かつ詳細な、特徴を群化する皮質機構の計算論的モデルを提案した。特に、皮質処理の各階層で、その階層が抽出した特徴が、その階層の文脈依存性に従って群化されていくという仮説をたて、これを定量的に検証した。
具体的には、V1,V2の刺激文脈依存性を実装した、生理学的にリアリスティックな計算論的神経回路モデルを提案した。モデルの主要な要素は、(1)線分方位の抽出、(2)周辺抑制・促進による文脈依存性の実現、(3)輪郭属性(図方向)の決定、である。このモデルが、線分知覚と面知覚の心理物理学的特性・生理学的特性を再現するかどうかを、シミュレーションによって定量的に検証した。
モデルは、既に提案したV1モデルとV2モデルを基に、これらを統合・発展させて構築した。モデルは、V1細胞の刺激文脈依存性を実装したことにより、多くの傾斜錯視を定量的に説明した。また、周辺抑制・促進の機構によって、V2の神経細胞モデルが、T-junctionやownership junctionの検出機構を含まないで、V1細胞によって抽出されるコントラスト情報だけから面の方向(direction of figure)を判断できることを示した。提案したV1-V2神経回路モデルは、輪郭知覚・図方向知覚の両方を説明し、その生理学的・心理物理学的特徴を定量的に再現した。特に、単純な機構にランダムなばらつきがあると、様々な刺激に対して、高い一貫性と頑健性を示すことが判った。
モデルの構築・シミュレーションには、申請者らが開発した、視覚系の大規模モデルの研究に最適化されているNEXUS Neural Network Simulation Environmentを利用した。汎用的なCPUを搭載したPCを購入し、これを既存のPCとギガビット・ハブによって結合して,大規模シミュレーションを実現した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004 その他

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Determination of border ownership based on the surround context of contrast2004

    • 著者名/発表者名
      H.Nishimura, K.Sakai
    • 雑誌名

      Neurocomputing 58-60

      ページ: 843-848

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] The computational model for border-ownership determination consisting of surrounding suppression and facilitation in early vision

    • 著者名/発表者名
      H.Nishimura, K.Sakai
    • 雑誌名

      Neurocomputing (印刷中)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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