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2004 年度 実績報告書

ドーパミンによるワーキングメモリ制御の回路シミュレーション

研究課題

研究課題/領域番号 15500218
研究機関上智大学

研究代表者

田中 昌司  上智大学, 理工学部, 教授 (30188304)

キーワード神経回路 / モデル / D1受容体 / D2受容体 / 前頭前野 / 中脳ドーパミン / 認知 / モジュレーション
研究概要

昨年までのモデル構築の成果に基づき、ワーキングメモリの制御に関するコンピュータ・シミュレーションを行った。また、シミュレーション過程で生じた問題点について検討し、新たなモデルの提案と、理論構築を行った。ドーパミンの働きに関して、D1レセプターとD2レセプターに分けて研究を行った。
第一に、ドーパミンがD1レセプターを介してワーキングメモリ表現の安定性を変えることができることを示した。これは単に外乱などに対する壊れやすさを変えるという、従来の研究で示唆されている点にとどまらず、認知オペレーションの内容をそれによって変えることができ、したがって、多様な認知情報処理が可能であることを示すに至った。ドーパミンが認知機能に深く関わっていることは古くから指摘されてきたことであるが、具体的にどのように認知機能を制御するのかという点を明らかにしたことは今回が初めてである。ただし、ごく単純な認知機能しか扱っていないので、より一般的なものに議論を発展させることは今後の課題である。
第二に、中脳・皮質ドーパミン系の動特性を調べることにより、このシステムが持つ特有のダイナミクスと、ドーパミンによる認知機能制御との関わりを明らかにした。とくに、前頭前野内での細胞外ドーパミン濃度の制御において、ドーパミン濃度が低い場合と高い場合で、特性が質的に異なることを示唆した。さらに、これが統合失調症などの精神疾患の病態を特徴づけることを具体的な例を挙げて示した。この方法論を今後の精神疾患研究に役立てていくことが今後の課題である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] State-dependent alteration of dopamine and glutamate transmission in the prefrontal cortex by psychostimulants

    • 著者名/発表者名
      田中 昌司
    • 雑誌名

      Neurocomputing (印刷中)

  • [雑誌論文] Parametric study of dopaminergic. neuromodulatory effects in a reduced model of the prefrontal cortex

    • 著者名/発表者名
      山下 幸樹
    • 雑誌名

      Neurocomputing (印刷中)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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