研究課題/領域番号 |
15500236
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
藏本 博史 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (30153373)
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研究分担者 |
門脇 真 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 教授 (20305709)
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キーワード | 下部食道括約筋 / キャプサイシン・レセプター / 知覚神経 / 食道壁在性神経細胞 / タキキニン / 一酸化窒素作動性神経 / 抑制性反射 / ウィスター・ラット |
研究概要 |
平成16年度に得られた成果を以下に記す。 1.昨年度の研究より、抗キャプサイシン・レセプター(VR1)抗体を用いて免疫染色を行った結果、対象とした小腸神経系には多数の陽性神経線維が観察されたが、下部食道括約筋に分布する神経細胞および神経線維にはVR1陽性反応はまったく認められなかった。そこで、小腸特に空腸に焦点を絞り、VR1と空腸の抑制反応機構の関係を薬理学的および形態学的に検討した。その結果、空腸のVR1陽性神経線維はCGRPを含有する外来性の知覚神経である事が分かり、VR1の活性化は空腸の弛緩反応を引き起こすことが証明された。 2.CGRPやサブスタンスP(SP)含有する食道の知覚神経がキャプサイシン感受性を有することから、SPレセプターであるNKIRのラット食道における局在を免疫組織化学的に検索し、SP含有神経線維とNK1Rの関係を検討した。その結果、NK1R陽性を示す神経細胞は上部食道に最も多く出現し、次に下部食道、最も少数だったのは中部食道であった。また、全NK1R陽性神経細胞の約77%がコリン作動性であり、約23%が一酸化窒素作動性であった。特徴的だったのは、下部食道に出現した多くのNK1R陽性神経細胞が一酸化窒素合成酵素陽性反応を示したことである。このことから、恐らくCGRPあるいはSP含有知覚性神経が下部食道の多くの一酸化窒素合成酵素含有神経細胞にシナプスを形成し、さらにそれらの神経終末が下部食道括約筋を支配することによって、括約筋の抑制的効果に関与するものと推測される。今年(平成17年)に入り、いくつかの新たな抗VR1抗体による検索を始める予定であり、食道神経系におけるVR1の存在が期待される。
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