研究課題/領域番号 |
15500236
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
藏本 博史 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (30153373)
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研究分担者 |
門脇 真 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 教授 (20305709)
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キーワード | 迷走神経 / 知覚神経 / キャプサイシン・レセプター / Fos / SP / CGRP / 免疫組織化学 / ラット |
研究概要 |
本年度の研究結果を以下に記す。 1.迷走神経がどの種類の食道神経細胞を支配しているのかを調べるために、ラット頸部迷走神経を電気刺激後、Fos抗体を用いて免疫組織化学的に検索を行った。その結果、食道に出現するFos陽性神経細胞は食道の全神経細胞の約10%で、口側から胃側にかけて増加する傾向があった。特に、下部食道における出現頻度が最も高く、全Fos陽性神経細胞の約50%を占めていた。また、二重染色の結果、食道の全Fos陽性神経細胞の約85%が一酸化窒素合成酵素(NOS)抗体に陽性反応を示すことが判った。これらの結果から、迷走神経は優位に食道のNO作動性神経を支配することが示唆される。また、下部食道においてNO含有のFos陽性神経細胞が最も高い出現頻度を示した所見から、迷走神経-下部食道NO含有神経細胞-下部食道括約筋という一連の下部食道括約筋の抑制反射機構の存在が推測される。 2.食道におけるキャプサイシン・レセプター含有神経の分布とその起源を調べるために、逆行性神経トレーサーであるFast blue(FB)を用いた注入実験とキャプサイシン・レセプターであるVR1の抗体を用いた免疫組織化学を組み合わせ、検索を行った。食道には多数のVR1陽性神経線維が認められたが、陽性神経細胞は出現しなかった。またこれらの大多数がSPあるいはCGRP陽性反応を示した。FBをラット下部食道壁に注入後、FB標識神経細胞は脊髄神経節(DRG)のC1からT13まで認められ、特にT5からT12に多数の標識細胞が見られた。DRGに認められたFB標識細胞の大多数はVR1陽性で、これらの細胞のほとんどはSPあるいはCGRP陽性反応を示した。これらの結果から、食道に分布するVR1/SPあるいはVR1/CGRPは、DRG(T5-T12)に由来すると考えられる。
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