研究課題
対象と方法:1.末梢神経・神経根:あらかじめ承諾を頂いた2例のヒトから頚髄神経根を含んだ組織を死後2時間以内に摘出して使用した.2.免疫組織染色:Helicobacter pyloriの培養上清より精製されたnative-VacAを家兎に免疫し、その血清より得られたポリクローナル抗VacA抗体を1次抗体とした.免疫組織染色はDAB法、FITC法を用い、さらに軸索と髄鞘を区別するためBodian染色との重染色を施行した.結果:1.DAB法では抗VacA抗体により、横断面にて前根の神経線維に相当する部位に斑状・茶褐色の染色を認め、これらは横断面では索状に染色された.抗VacA抗体を用いないコントロール染色では末梢神経組織になんらの染色もされなかった.2.FITC法ではDAB法と同様に蛍光顕微鏡にて横断面では斑状に、縦断面では索状の蛍光が認められた.3.DAB染色とBodian染色との重染色では、Bodian染色で濃い青色に染まった軸索周囲に抗VacA抗体により染色が観察され、これらは髄鞘に相当すると考えられた.4.以上の染色結果から抗VacA抗体は髄鞘の一部を認識している可能性が示された.
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (5件)
Neurology 63
ページ: 2184-2187
J Neuroimmunol 156
ページ: 204-209
Medicina 41
ページ: 1329-1331
Int Med 43
ページ: 79-81
Cell stress and Chaperone 9
ページ: 253-264