研究課題
基盤研究(C)
免疫組織学的検討:ポリクローナル抗VacA抗体を1次抗体とし、2例のヒト頚髄神経根を用い、DAB法、FITC法にて抗VacA抗体が認識するエピトープの有無を検索した。DAB法では抗VacA抗体により、横断面にて前根の神経線維に相当する部位に斑状・茶褐色の染色を認め、これらは横断面では索状に染色された,FITC法ではDAB法と同様に蛍光顕微鏡にて横断面では斑状に、縦断面では索状の蛍光が認められ、これらは髄鞘に相当すると考えら、ヒト頚髄神経根には抗VacA抗体が認識するエピトープが存在する可能性が示された.分子生物学的検討:脱髄型ギランバレー症候群(GBS)患者4名の胃粘膜からH.pyloriを分離・培養し、PCRにてVacAの遺伝子配列と対応するアミノ酸配列を決定した.検出したVacAの遺伝子配列に、従来の報告と異なる明らかな変異は認めなかったが、相同性検索の結果、signal sequenceの下流域に、Na^+-K^+ ATPase α subunit、さらにミエリンP0蛋白に部分的相同性をもつ配列が存在することを明らかにし得た.Na^+-K^+ ATPase α subunitおよびミエリンP0蛋白のアミノ酸配列で、VacAと部分的分子相同性を示す以下の3種類のオリゴペプチドを合成した(太字、下線が相同性を示すアミノ酸).1)Na^+-K^+ ATPase α subunit ; AFFSTNCVEGTARGIIVYTGDRT(23mer)2)Na^+-K^+ ATPase α subunit ; AFFTTVIIPAIVGGIATGTAVGT(23mer)3)ミエリンP0蛋白;DVKNPPDIVGKTSQVTLYVF(20mer)これらオリゴペプチドと、既に抗VacAを有することが確認された脱髄型GBS患者髄液を用いてドットブロット法により、抗VacA抗体とオリゴペプチドとの反応性を検討したが、5名の抗VacA抗体陽性患者の髄液での検討では陽性所見はえられなかった.
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