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2004 年度 実績報告書

神経細胞特異的受容体様膜蛋白質の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 15500252
研究機関東北大学

研究代表者

東郷 暁  東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40282123)

キーワードDNER / ノックアウトマウス / 小脳 / GLAST / プルキンエ細胞
研究概要

DNERは一回膜貫通型の蛋白質で小脳Purkinje細胞において強く発現している。この分子には細胞外領域に10個のEGFモチーフが存在し、細胞内にチロシンキナーゼによるリン酸化部位が存在する。この構造上の特徴から、DNERが小脳の分化・発生おいて神経細胞間または神経細胞-グリア細胞間の機能的相互作用に関与している可能性が考えられた。そこでDNERノックアウト(KO)マウスを作成し、解析して以下の結果を得た。
(1)KOマウスはfixed bar及びrota-rodテストにおいて運動協調性の低下を示した。
(2)組織学的解析でKOマウスは小脳形態の発達遅延と小脳の一部のsulcusとfissureの分離異常が認められた。
(3)presynaptic inputを反映するPaired-pulse facilitationやpaired-pulse depressionなどはKOマウスでは異常が認められなかった。
(4)電気生理学的解析で平行線維-Purkinje細胞のシナプス間隙でグルタミン酸の除去障害とPurkinje細胞の登上線維による多重投射が認められた。
(5)生化学的解析によりKOマウスの小脳ではBergmannグリアに発現するグルタミン酸トランスポーターであるGLASTの発現の減少が認められた。しかしながら他のグルタミン酸トランスポーターであるGLT-1、EAAT-4、EAAC-1などの発現の低下は認められなかった。
以上の結果からプルキンエ細胞に発現するDNERは神経細胞-グリア細胞間の機能的相互作用でBergmannグリアに対しグルタミン酸トランスポーターの発現を誘導するなど、小脳機能形成に不可欠なシグナル伝達に寄与することが示された。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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