研究課題
平成15年度に確立したHEK-293安定細胞株を用いて、培養細胞内のpChATおよびcChATの局在と動態の解析を共焦点レーザー下でさらに行った結果、定常状態では、pChAT-GFPは細胞質のみ、cChAT-GFPは細胞質および核内に存在することが明らかになった。核外移行シグナル阻害物質による処理で、pChAT-GFPが核内にも移行しうることも確認した。種々の薬剤による刺激の結果、pChAT-GFPの細胞内トランスロケーションは主としてリン酸化酵素の修飾によって引き起こされていることが観察された。具体的には、PKCを刺激すると細胞内、阻害すると核内へ移行する傾向があることがわかった。本年度は、これらの結果をより定量的に解析し、pChATがcChATと異なる機能を有している可能性を示唆する成果を雑誌に公表した。また、腎由来細胞株であるHEK-293細胞において得られた結果が、神経系由来細胞でも起こりうるか確かめるため、pChAT-GFPおよびcChAT-GFPコンストラクトをPC12細胞にトランスフェクトさせた。その結果、一時発現PC12細胞内においても、pChAT-GFPは細胞質のみ、cChAT-GFPは細胞質および核内に存在することが明らかになった。比較的長期間におよぶ薬剤付加の影響および分化の過程でのpChATおよびcChATの細胞内局在を確かめるため、pChAT-GFPおよびcChAT-GFP安定発現PC12細胞の確立に着手し、これまでに複数のクローンを分離し、現在検証中である。
すべて 2005 2004
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