• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

神経活動依存的可塑性のダイナミクスおよび分子メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 15500259
研究機関大阪大学

研究代表者

七五三木 聡  大阪大学, 健康体育部, 助教授 (20271033)

キーワード眼優位性 / 方位選択性 / プロテインキナーゼA / ネコ / ムシモール / 臨界期
研究概要

臨界期の仔ネコに片眼遮断を行うと、視覚野のニューロンは遮断しておいた眼に対する光反応性を失い、眼優位性(ocular dominance, OD)は非遮断眼へ移行する(normal OD shift)。しかし、視覚刺激に対する方位選択性は消失しない。一方、片眼遮断中に、視覚皮質内にPKA拮抗薬を持続注入すると、normal OD shiftの発現は妨害され正常なOD分布が観察される一方で、方位選択性は消失する(Beaverら2001年)。これらの事実は眼優位性と方向選択性の形成に関わる分子メカニズムが異なること、また、遮蔽眼から皮質ニューロンへの入力が方向選択性の形成を妨害する可能性を示唆している。しかし、このような可塑的変化の方向性は、網膜-視床からのボトムアップ的入力のみならず、視覚皮質ニューロン活動も重要な要因であることが指摘されている。そこで、本研究は、片眼遮断+PKA拮抗薬皮質注入によって引き起こされる方位選択性の消失に皮質ニューロンの活動が関与するか否かを明らかするために、片眼遮断中、PKA拮抗薬とともにムシモール(GABA_A受容体作動薬)を皮質内持続注入することで視覚皮質ニューロン活動を抑制した時の方位選択性の変化を検討した。その結果、これらの実験操作によって、先行研究で報告されているような眼優位性の遮断眼への移行(reverse OD shift)が観察される一方で、刺激方位選択性は消失しないことが示された。以上より、片眼遮断+PKA拮抗薬皮質注入によって引き起こされる方位選択性の可塑的変化にも視覚皮質ニューロンの活動が重要であることが明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2003

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Blockade of cyclic AMP-dependent protein kinase does not prevent the reverse ocular dominance shift in kitten visual cortex2003

    • 著者名/発表者名
      Shimegi S, Fischer QS, Yang Y, Sato H, Daw NW
    • 雑誌名

      Journal of Neurophysiology 90

      ページ: 4027-4032

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi