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2004 年度 実績報告書

神経可塑性の獲得過程における糖鎖を介したチャネル活性の制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15500260
研究機関大阪府立大学

研究代表者

加藤 啓子  大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (90252684)

キーワード神経可塑性 / シアル酸 / シアル酸転移酵素 / ノックアウトマウス / チャネル / シナプス / ラフト
研究概要

本研究の目的は、神経可塑性の獲得過程において、チャネルに付加されるシアル酸が、チャネル輸送や活性の変化、さらにはその後の応答シグナルにどの様に関わるのかを、個体・細胞・分子レベルで解析することであった。本申請者は、神経の可塑的変化に連動して発現変動を示すシアル酸転移酵素を見つけた。この酵素は、電位依存性ナトリウムチャネル・カリウムチャネル等に付加されるポリシアル酸の幹のシアル酸付加に関与する酵素である。本研究では、本酵素によるシアル酸付加の有無がチャネル動態に与える影響を解析することであった。
まず、ST3Gal IV・コンディショナルノックアウトマウスの作成を試みた。本研究では、C57Bl/6Jマウス由来のゲノムとES細胞(E14)を用いた系で、Cre-loxPによるノックアウトを試みた。受精卵へのCAG promoter-Creプラスミドの導入により、ST3Gal IV完全欠失マウス作成に成功した。この成功は、本酵素によるシアル酸付加の有無がどのようにチャネル動態に影響するのかを、in vivoからin vitroにかけて調べることを可能にする。
さらに、ノックアウトマウス作成に先立ち、チャネル輸送・チャネル活性の解析を念頭に置いた、細胞膜やシナプスの膜動態の解析方法を検討してきた。特に、細胞内シグナル伝達のホットスポットと考えられているラフトとシナプスの関係に注目し、チャネルの分布を検討した。成熟マウス脳から大脳皮質・海馬を取り出し、TritonX-100難溶性膜画分を抽出し密度勾配超遠心を行った。その結果、膜画分を2層に分離することができた。幾つかのマーカーにより、上層がraft画分、下層がシナプス(post-synaptic density)画分であることを確認した。加えて、脳内の電位依存性ナトリウムチャネルが、ラフトとPSDそれぞれの画分に分布する一方で、糖鎖構造が異なることがわかった。
本研究課題の遂行により、ノックアウトマウスのイオンチャネルの膜動態を解析する準備が整った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 2004 2003

すべて 雑誌論文 (4件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 小脳グリア細胞の分化機構-糖鎖生物学の視点から-2005

    • 著者名/発表者名
      加藤啓子, 平林義雄
    • 雑誌名

      CLINICAL NEUROSCIENCE(臨床神経科学) 23

      ページ: 144-147

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] てんかんモデルマウスにおける糖鎖修飾2004

    • 著者名/発表者名
      加藤啓子
    • 雑誌名

      「蛋白質 核酸 酵素」増刊号神経糖鎖生物学 49

      ページ: 2491-2498

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 神経可塑性の獲得機構における分子生物学的基盤の解明2004

    • 著者名/発表者名
      加藤啓子
    • 雑誌名

      三共生命科学研究振興財団 研究報告集 20

      ページ: 54-65

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Region-specific and epiletogenic-dependent expression of six subtypes of α2,3-sialyltransferase in the adult mouse2004

    • 著者名/発表者名
      Matsuhashi, H., Horii Y., Kato, K.
    • 雑誌名

      J Neurochem 84

      ページ: 53-66

  • [産業財産権] 脳内物質の回収装置2003

    • 発明者名
      加藤啓子
    • 権利者名
      奈良先端科学技術大学院大学
    • 産業財産権番号
      特願2003-380832
    • 出願年月日
      2003-11-11

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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