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2005 年度 実績報告書

グルタミン酸輸送タンパク質(EAATS)の制御分子開発

研究課題

研究課題/領域番号 15500278
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

茂里 康  独立行政法人産業技術総合研究所, セルエンジニアリング研究部門, 主任研究員 (90357187)

研究分担者 島本 啓子  (財団法人)サントリー生物有機科学研究所, 主任研究員 (70235638)
キーワードグルタミン酸 / グルタミン酸トランスポータ / 阻害剤 / EAATs / DL-TBOA / TFB-TBOA / 中性アミノ酸 / ASCT
研究概要

グルタミン酸トランスポーター(EAATs)は、興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸をシナプス間隙から除去し、神経伝達を速やかに終了させる役割を担っている。これまで、EAATのすべてのサブタイプを遮断できるブロッカーとしてDL-TBOA(DL-threo-β-benzyloxyaspartate)を開発した。さらに嵩高い置換基を導入したTFB-TBOA[(2S,3S)-3-{3-[4-(trifluoromethyl)benzoylamino]benzyloxy}aspartate]はnMレベルで阻害を示した。そこで、TFB-TBOAのnMレベルでの親和性に注目し、TFB-TBOAのアナログであるETB-TBOAをトリチウムで放射能ラベルし、レセプターリガンドと同様な方法で、EAATの親和性分子を[3H]ETB-TBOAの結合阻害活性でスクリーニングできるかどうか検討した。まずEAAT1-5のすべてのサブタイプを強制発現させたCOS細胞を用いて、[3H]ETB-TBOAの結合実験を行った。その結果、[3H]ETB-TBOAはEAAT1-5のすべてのサブタイプに対し、Na+依存性的、濃度依存的な結合活性を示した。EAATの代表的な基質(グルタミン酸、アスパラギン酸、CCG-III等)に対し、基質取り込み活性と同等な結合親和性を示した。またEAATの代表的な阻害剤(DL-TBOA、TFB-TBOA、ETB-TBOA、DHKA、THA、t-2,4-PDC等)に対しても基質に対する取り込み阻害活性と同程度の親和性を示した。[3H]ETB-TBOAの結合は、EAATのすべてのサブタイプに対し、室温で約30分程度で平衡状態に達し、すくなくとも2時間は結合を維持した。また結合の平衡状態に達した段階で、TFB-TBOAを加えたところ、5分以内で[3H]EFB-TBOAはEAATから速やかに解離を行った。以上の結果から、[3H]ETB-TBOAを用いることにより、EAATに対する阻害剤などを効率的にスクリーニングできることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 神経伝達物質アミノ酸トランスポーターの機能2006

    • 著者名/発表者名
      茂里康, 島本啓子
    • 雑誌名

      生物物理 46

      ページ: 10-14

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Elucidation of glutamate transporter functions using selective inhibitors.2006

    • 著者名/発表者名
      島本啓子, 茂里康
    • 雑誌名

      Central Nervous System Agents in Medicinal Chemistry 6・1

      ページ: 59-71

  • [雑誌論文] 抑制性神経伝達物質トランスポーターの薬理学2006

    • 著者名/発表者名
      茂里康, 島本啓子
    • 雑誌名

      日本薬理学会誌 127・4(印刷中)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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