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2004 年度 実績報告書

後部帯状回-海馬体系における情報変換機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15500283
研究機関富山医科薬科大学

研究代表者

田淵 英一  富山医科薬科大学, 医学系研究科, 助教授 (70272911)

研究分担者 梅野 克身  富山医科薬科大学, 医学系研究科, 助手 (90086596)
キーワード大脳辺縁系 / 帯状回 / 後部帯状回 / 海馬 / ニューロン / 相互相関 / 行動 / 報酬
研究概要

我々は、後部帯状回ニューロンが感覚刺激には応答せずに、特定の報酬獲得のための運動行為に応答し、報酬による運動の評価に関与することを発見している。また、後部帯状回と線維結合を有する海馬体は場所や状況に応じて応答性が変化することがわかっている。本研究では、文脈依存的な海馬体からの情報が運動評価に関与する後部体状回にどのように影響を与えているかを明らかにすることを目的とした。そのために、感覚-報酬連合学習行動遂行中のラットの後部帯状回および海馬体から同時に多数のニューロン活動を記録し、ニューロン応答性の行動相関および相互相関法による両脳領域間のニューロン結合性の解析を行った。平成15年度には、既存の特殊脳定位固定装置およびニューロン活動記録システムを改良したデータ記録・保存・解析システムの構築が終了したため、平成16年度は、以下の手順により実験を遂行してデータの蓄積および解析を行った。
手術:ウイスター系雄ラットを用い、麻酔下で脳内自己刺激用電極およびニューロン活動記録電極を目的の部位に挿入・固定した。訓練:正8角形のオープンフィールド内へ絶水したラットを入れ、点灯した場所へ行きレバーを押すと報酬を獲得することを学習させた。次に、4ヶ所のレバー設置地点で異なる報酬(脳内自己刺激(強および弱),水(多および少量))を獲得することを学習させた。ニューロン活動記録:この光-報酬-空間連合学習成立後、後部帯状回および海馬体のニューロン活動を同時に記録し、データ解析を行った。
結果・考察:特定の場所での飲水行動中にのみ後部帯状回ニューロンと海馬体のニューロンの間に有意な相関を持つペアをいくつか発見した。ペアのニューロン発火タイミングのズレは約10ミリ秒であった。これらの結果は、海馬体から後部体状回への線維結合が、空間、報酬、運動の統合された情報を担っていることを示唆している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2004 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 食物報酬の認知と摂食行動の神経機構2004

    • 著者名/発表者名
      西条寿夫, 田渕英一, 小野武年
    • 雑誌名

      肥満研究 10

      ページ: 4-11

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Neurons in hippocampal afferent zones of rat striatum parse routes into multi-pace segments during maze navigation.2004

    • 著者名/発表者名
      Mulder, A.B., Tabuchi, E., Wiener S.I.
    • 雑誌名

      Eur.J.Neurosci. 19

      ページ: 1923-1932

  • [雑誌論文] Differentiation of reward types in posterior cingulate cortex.

    • 著者名/発表者名
      Tabuchi, E., Furusawa, A.A., Hori, E., Umeno, K., Ono, T., Nishijo, H.
    • 雑誌名

      Neuroreport (in press)

  • [図書] ボケないための脳トレーニングドリル2004

    • 著者名/発表者名
      田渕英一
    • 総ページ数
      95
    • 出版者
      PHP研究所
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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