研究課題/領域番号 |
15500285
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
小川 尚 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20040181)
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研究分担者 |
長谷川 佳代子 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (80136720)
羽山 富雄 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (50128302)
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キーワード | ラット / 大脳皮質味覚野 / 機能円柱 / 味覚ニューロン |
研究概要 |
ラットの大脳皮質味覚野は眼窩と岩様骨の間で、嗅状溝の背側部の島皮質前部にあり、電極を皮質表面に垂直に刺入するためにはマニピュレータの改良が必要であった。既成のマニピュレータを組み合わせることにより首振り可能な3次元マニピュレータを作成し、ラットの大脳皮質味覚野にいろんな角度で記録電極を刺入した。表面近くより50-100ミクロンステップで四基本味+グルタミン酸ソーダの全口腔刺激に反応するマルチユニット神経活動を記録し、パソコン上で自家製ソフトによりユニットを分離して味覚ニューロン活動を同定した。四基本味+グルタミン酸ソーダに対する応答プロフィールおよび口腔内受容野を調べた。味覚ニューロンは多くの場合1-2個が連続的に記録されるに過ぎなかったが、数例で5-6個が連続的に記録できた。四基本味+グルタミン酸ソーダ中最も大きい応答をベスト刺激とするとベスト刺激は最大で連続する2個で同じであった。同じ円柱内では味覚ニューロンはベスト刺激を共有すると仮定すると、円柱のサイズは約30ミクロンと推定された。味覚の受容野が同じかどうかを全ての実験で調べることはできなかったが、全身で無鈎ピンセットによる機械的侵害刺激に対する受容野を調べることができた。Wang and Ogawa(2002)は、味覚ニューロンは全て機械受容野を持ち、機械受容器ニューロンの機能円柱内に見つかったと報告したが、機械受容野をもたない味覚ニューロンも見い出した。則ち、味覚ニューロンは機械受容器ニューロンの機能円柱以外にも存在することが示唆された。
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