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2003 年度 実績報告書

遺伝子改変による癌特異糖鎖抗原機能解析のための基幹糖鎖構造転換マウスモデルの確立

研究課題

研究課題/領域番号 15500298
研究機関金沢大学

研究代表者

橋本 憲佳  金沢大学, 学際科学実験センター, 助教授 (50242524)

研究分担者 浅野 雅秀  金沢大学, 学際科学実験センター, 教授 (50251450)
キーワード糖転移酵素遺伝子 / 糖鎖抗原 / 癌特異抗原 / 基幹糖鎖構造 / ガラクトース / ノックアウトマウス / 化学発癌
研究概要

β4GalT-I KOマウスの胚線維芽細胞を継代して不死化細胞株を樹立したところ,細胞増殖速度が正常株に比べて極端に遅くなっており,細胞癌化の初期過程における細胞増殖能獲得においてもガラクトース糖鎖が重要な役割を担うことが示唆された。さらに継代を続けたところ,正常株に遅れること約60代で増殖速度が急増し,正常株のそれと同等の増殖能を得るに至った。そこで癌化の初期過程,特に細胞の不死化とそれに続く無限増殖能の獲得における糖タンパク質糖鎖の役割を明らかとするため,正常株より数十代遅れて無限増殖能を獲得したβ4GalT-I KOマウス由来胚線維芽細胞にβ4GalT-I発現遺伝子を導入した。導入後約20代経過した時点ではベクターのみ導入した株と比べて明らかな増殖速度の変化は見られていない。無限増殖能獲得前におけるガラクトース糖鎖の増殖能に対する効果を詳細に解析するため,新たにβ4GalT-I欠損初代培養株を数株樹立するとともに,細胞増殖の動態解析を行っている。この細胞にβ4GalT-I発現遺伝子を導入して無限増殖能獲得時におけるガラクトース糖鎖の役割を明らかにする予定である。
また化学発癌剤により誘発したβ4GalT-I欠損腫瘍細胞株とそのβ4GalT-I再導入株における糖鎖抗原解析をレクチン染色により進めたが,欠損株においてもβ4位に結合したガラクトース糖鎖を検出しており,他のファミリー遺伝子により相補されている可能性が示唆された。そこでβ4GalT-II遺伝子ノックアウトマウスの作成を進め産仔を得るに至っている。現在β4GalT-Iとのダブルノックアウトマウスを得るべく交配を行っているところである。これらのマウスを用いた発癌実験を行ってさらにガラクトース糖鎖がリモデリングされた腫瘍細胞を獲得して細胞癌化におけるガラクトース糖鎖の役割を明らかにする予定である。

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公開日: 2005-04-17   更新日: 2016-04-21  

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