研究課題/領域番号 |
15500307
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
竹内 文也 北海道大学, 医学部, 助教授 (30281835)
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研究分担者 |
栗城 眞也 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (30002108)
鎌田 恭輔 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80372374)
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キーワード | 脳磁界 / fMRI / 文字 / 周波数解析 / 時間-周波数解析 |
研究概要 |
今年度は、視覚呈示による課題遂行時の脳磁界の計測および解析を行った。 まず、前頭葉における脳磁界活動のfMRI計測の結果に基づき、課題の作成を行った。fMRI計測では、保有設備による制限のため視覚呈示による課題についてのみ行った。その結果、視覚呈示課題として試みた動詞想起課題およびカテゴリ選択課題において前頭部の脳活動が観測された。 次に、これらの課題のうち、カテゴリ選択課題による脳磁界を計測し解析を行った。解析手法として、前年度検証を行った時間-周波数解析手法を用いた。 脳磁界の解析結果では、側頭葉を中心とした活動源が推定されるのに対し、前頭葉を起源と推定される活動源がほとんど存在しなかった。しかし、周波数解析あるいは時間-周波数解析手法によると、前頭葉付近の磁界信号と側頭葉付近の磁界信号では明らかな違いが見られた。脳磁界信号源の推定されることが多い側頭葉ではα帯域あるいはその近傍帯域の成分が強く、前頭葉ではそれよりも低い帯域の成分が強くなっていた。一方、文字の呈示に対しα帯域の成分が抑制される脱同期を示す被験者も存在しており、側頭葉の脳活動の大きさとα近傍帯域の増強が必ずしも相関しなかった。 これらの結果から、側頭葉の活動に対してはα近傍帯域が関連しており、前頭葉ではそれ以下の帯域が関連していると考える。したがって、言語課題に対する前頭葉の活動は、脳磁界では低周波でかつ刺激に対する同期性の悪い活動と考える。
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