研究概要 |
(1)中空ファイバの高機能化 Er:YAG,CO,CO_2等医療用レーザ光を低損失に伝送する中空ファイバの開発は既に実現した.しかしながら,医療現場において赤外レーザ光を用いる場合にはパイロット光の低損失伝送も要求されている.可視光専用ファイバをもう一本並列に並べる方法,キャピラリーとなっている厚いガラス層を利用するなどの方法が提案されていた.しかし,これらの方法では,ファイバの外径が太くなり,医療分野への応用において,ファイバを人体内へ入れるという新展開には不適切である.本研究では,中空ファイバの内装膜の銀とポリマーを平滑化することにより赤外レーザ光と可視パイロットを同時に伝送することを初めて実現した. (2)Er:YAGレーザ光の水中伝送システムの構築 機能性を有する中空ファイバの先端シーリングキャップを開発し,Er:YAGレーザ光の水中伝送システムを構築した.このシステムを利用し,下記の研究を行った. ・出射端形状の異なる先端デバイスを用いての結石破砕メカニズム・各種結石に対する破砕法をまとめた.集光性のあるキャップは結石の水中破砕に最も適していることを明らかにした. ・Er:YAGレーザ光の水中伝送特性について,3ミクロン帯に発振するEr:YAGレーザ光は水の吸収ピークにマッチし,水中の伝送距離は極めて短いが,出射エネルギーよりその吸収係数の変更があって,高エネルギーEr:YAGレーザ光を水中伝送の場合にはその距離を見直した. (3)超細径中空ファイバと中空型超細径先端デバイスの開発 銀とポリマー成膜工程の改善により内径/外径100/200ミクロンの中空ファィバの製作に試みた.細径中空ファイバの成功に歯根治療に有効的な手段を提供することができた.外径20ミクロンの細径ファイバに金属を外装することによって,X線不透明な先端チップを製作した.そして,細径発端チップの先端シーリングについて母材自身の材質を利用し,細い先端封止にも成功した.
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