研究分担者 |
宇野 彰 国立精神・神経センター, 精神保健研究所, 室長(研究職) (10270688)
笠井 清登 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80322056)
湯本 真人 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30240170)
中込 和幸 昭和大学, 医学部附属病院, 助教授 (30198056)
越田 一郎 東京工科大学, 工学部, 教授 (00192055)
|
研究概要 |
言語コミュニケーション行動は,バイオメトリクスや利用者に即した学習・思考支援システム,精神障害者の治療・社会復帰訓練の評価,反社会性犯罪,狂信的宗教や民間療法,ストレスによる性格変容解明など種々の場面において,個人の置かれた状況下での思考過程・性格やそれら障害性が反映しているとして,個人性やその障害の特定を,従来の構造化された問診や感情,パーソナリティ,精神症状など心理状態の自己採点による評価,音声や身体表現等の行動パタンや談話・対話構造の分析的特徴,専門家による行動からの心理状態の認知の3種のデータに加えて,脳の各要素機能モジュール間の同期性機能統合に関する情報を採用して客観化・定量化を目指した。 具体的には,以下の5項目を推進した。 1.個人性,障害性の脳機能計測・解析法の開発を,高密度言語関連脳電位・磁場および高周波律動波の多部位間相関動態映像のMRI脳3次元画像へのマッピングを中心に進め,行動指標との対応を検討した。 2.正常者および社会復帰を目指して生活技能訓練プログラムを受診中の精神疾患患者を対象に,ロールプレイによる構造化性格変容訓練中の言語行動評価,ジェスチャー,表情,韻律などの非言語表現を含めたビデオ音声データ,脳機能統合データの統合に向けて正常・病的対話記述コーパスの体系化を検討した。 3.上記コーパスを用いた生活技能訓練による性格変容の治療効果に対する客観的・定量評価法の可能性を検討した。 4.関連脳・行動データの分散コンピューティング・共有ディスク化ネットワークデータベースシステムの設計を行った。 5.地域・文化の異なる現場における個人性・障害性抽出ネットワークシステムの臨床応用を目差して,男女差,文化環境による異同の検討を開始した。
|