研究分担者 |
湯本 真人 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30240170)
笠井 清登 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80322056)
宇野 彰 筑波大学, 大学院・教育研究科, 助教授 (10270688)
中込 和幸 昭和大学, 医学部附属病院, 助教授 (30198056)
岩波 明 藍野大学, 医療保健学部, 教授 (80276518)
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研究概要 |
本研究においては,脳の分散同期処理による「結び付け問題」に基づいて,高次認知・言語行動における個人能力・創造性および脳半球間・半球内同期性に着目し,言語・音楽能力の高〜低得点の正常者群と言語・認知障害および統合失調症の患者群を対象とする言語・音楽能力の向上,さらに社会生活技能訓練プログラムの実行前後の各種データと,訓練中の記録ビデオ・音声,さらにMRIによる脳の形態情報,言語,ジェスチャーおよび音楽認知課題時における脳波・脳磁図などの機能情報をも統合して認知・言語機能失調性評価・診断システムの開発を日差した。 具体的には,以下の5項目を推進した。 1.前年度の皮質・皮質下系の考察をもとに,個人能力,障害性・統合失調性の特定化に最適な事象関連電位・発振の抽出と,それらの間の相関スペクトル解析法を開発した。 2.前年度の脳形態・容積定量計測法,認知・言語能力の個人性評価値と事象関連電位・高周波律動発振パラメタとの相関性解析法を改良し,正常者,患者に適用した。 3.前年度のミスマッチ・ネガティビティ検出課題に基づき,検査に用いる視聴覚課題ファイルを,自然音および合成音を用いて作成した。 4.前年度のデータベース化アルゴリズムを実用化に向けて改良・発展を進め,正常者および認知・言語障害者の統合解析データベースの構成を試みた。 5.前年度の認知・言語機能とその失調性,訓練効果の評価,ならびに個人訓練プログラム作成のための基準を,正常者と統合失調者に適用して正当性を検討した。 以上の成果を総合し,海外共同研究者から特に認知言語機能失調性検査・評価の定量化の知見を導入して,認知・言語能力と統合性・失調性評価・診断システムの臨床応用可能性を確認した。
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