研究課題/領域番号 |
15500315
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
伊古美 文隆 信州大学, 医学部, 助教授 (50262704)
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研究分担者 |
水野 理介 信州大学, 医学部, 講師 (30273080)
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キーワード | ドラッグデリバリーシステム(DDS) / リンパ指向性物質 / コロイド状粒子 / リンパ節灌流モデル / サイズバリアー / センチネルリンパ節(SLN) / SNNS / リンパ行性転移 |
研究概要 |
リンパ節へ集中的に薬剤を集積する方法を開発するためにはリンパ節における粒子の捕捉について検討する必要がある。そこで、コロイド状粒子のリンパ節の通過性について定量的な解析を行った。 実験には白色家兎を用い、膝窩リンパ節の節前リンパ管に順行性のカニュレーションを、そして、節後リンパ管に逆行性のカニュレーションを行うという方法によって、in vivoリンパ節灌流標本を確立し種々の直径を有するコロイド状粒子に対してリンパ節のサイズバリアー機構について検討した。コロイド状粒子としては、直径1.1μm、1.7μm、そして、2.0μmの蛍光ラテックスマイクロスフェアを用いた。10.0μg/mlのマイクロスフェアを0.1ml皮下に注入すると、1本の節前リンパ管には注入部位のマッサージを行った場合、最初の1時間に約2μgのマイクロスフェアが出現することを既に確認している。そこで、今回は2μgのマイクロスフェアを節前リンパ管へ注入した。この結果、直径2.0μmのマイクロスフェアは節後リンパ管中へ全く現れてこなかった。これに対して、直径1.1μm、そして、1.7μmのものはサイズ依存的にその数%が節後リンパ管中にて見い出された。ここでマイクロスフェア濃度の定量化はリンパ液中マイクロスフェアの粒子数を蛍光顕微鏡下にて数え、これを既知濃度の検量線と比較することにより行った。 これらの動物モデルを用い今後よりリンパ指向性の高いコロイド状粒子を選定するための解析を進め、さらに、リンパ系への移行を高めるための薬物投与方法について工夫を行いたい。
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