研究課題
リンパ系へのドラッグデリバリーシステム(DDS)を構築するためには、組織間隙からリンパ系へのコロイド状粒子の取込みと共に、リンパ節における粒子の浦捉について検討する必要がある。ここでは、昨年度に行った粒子径とリンパ節通過との関係に関する予備的な実験をさらに進め、種々の径を有するマイクロスフェアーを用いて、これらのリンパ節通過に関して詳細な検討を行った。実験には白色家兎を用い、膝裔リンパ節の節前・節後リンパ管に各々順行性・逆行性のカニュレーションを行うことによりin vivoリンパ節灌流標本を作製した。コロイド状粒子としては、直径0.5μm、1.1μm、1.7μm、1.9μmそして、6.0μmの蛍光ラテックスマイクロスフェアを用いた。リンパ節は2.6%のアルブミンを含む保生液1.47ml/hにて持続灌流された。マイクロスフェア2μgを節前リンパ管へ注入した後、節後リンパ管への出現を定量化した。この結果、直径1.9μm、6.0μmのマイクロスフェアは節後リンパ管中へ全く現れてこなかったが、直径0.5〜1.7μmのものはサイズ依存性をもって節後リンパ管中に見い出された。以上の結果から、リンパ節における粒子の通過には直径依存性のあることが判明し、さらに、リンパ節通過におけるサイズバリアは1.7〜1.9μmの間にあることが示唆された。ここでマイクロスフェア濃度の定量化はリンパ液中マイクロスフェアの粒子数を蛍光顕微鏡下にて数え、これを既知濃度の検量線と比較することにより行った。この動物モデルを用い今後よりリンパ節における捕捉性の高いコロイド状粒子を選定するための解析を進めてゆきたい。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (5件)
Microcirculation 13(5)(印刷中)
Lymphat.Res.Biol. 3(3)
ページ: 127-136
Pharmacol.Ther. 105(2)
ページ: 165-188
炎症と免疫 13(4)
ページ: 11-20
ハートビュー 9(11)
ページ: 91-96