| 研究概要 |
マイクロスコープCCDカメラによるin-situなバイオフィルムの形態および形成過程の観察および任意の温度勾配が可能な高精度インキュベーターによるバイオフィルム形成に与える温度と培地の影響について研究を行った.使用した菌株はレジオネラLegionela pnumophila serogruoup1の標準株ATCC33152,臨床分離株(長崎,沖縄)である.培地はBCYE-αの固形培地および液体培地を用いた.本研究から得られた結論を以下に示す.
1.In-situでバイオフィルム形成過程が観察できるマイクロスコープ付インキュベーターシステムおよび高精度温度勾配インキュベーターシステム(温度変動±0.1℃標準温度計との誤差±0.2℃,使用温度範囲-25℃〜+150℃)を開発した,
2.BCYE-α液体培地では35〜42.5℃の温度範囲で気液界面にバイオフィルムが形成された,バイオフィルムの強度および試験管壁からの剥離のし易さは温度によって異なり,低温では強度が弱く試験管壁から剥離しにくいバイオフィルム、高温では強度が強く剥離しやすいバイオフィルムが形成された.
3.液体培地にレジオネラを接種してから25hrs後にバイオフィルムが形成され70hrs後に固体壁から脱落をした.循環式浴槽等の人工水環境でこのようにバイオフィルムが固体壁から脱落するならばレジオネラは配管内の水流に乗ってシャワー等のエアロゾル発生源となる場所まで移動して人に感染する可能性を与えると考えられる.
|
