研究課題/領域番号 |
15500344
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
福永 惠 国立大学法人香川大学, 医学部附属病院, 助教授 (40283775)
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研究分担者 |
千田 彰一 国立大学法人香川大学, 医学部附属病院, 教授 (30145049)
石田 俊彦 国立大学法人香川大学, 医学部, 教授 (50159737)
佐用 義孝 国立大学法人香川大学, 医学部附属病院, 助手 (20343311)
村尾 孝児 国立大学法人香川大学, 医学部附属病院, 助手 (20291982)
岩藤 泰慶 国立大学法人香川大学, 医学部附属病院, 助手 (30346655)
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キーワード | OLETFラット / 90%膵切除 / 単離膵ラ氏島 / 免疫組織化学 / PDX-1 / TGF-beta / CaM-キナーゼ / 膵ラ氏島再生 |
研究概要 |
糖尿病モデルラットであるOLETFラット、および正常ラットより作成した90%膵切除ラットを用いての実験系により以下のような成果を得た。 1)様々な週齢のOLETFラットおよび90%膵切除ラット膵臓組織切片を用いての免疫組織学的検討により、軽度の高血糖状態におかれた膵ラ氏島や、組織的ダメージを受けて間もない時期の膵ラ氏島においては、膵β細胞増殖因子である転写因子PDX-1発現の亢進した細胞を多く含むラ氏島が増殖していることを確認した。また、週齢が進むに連れてPDX-1発現の亢進した細胞は徐々に減少し、代わりにTGF-beta発現の亢進した細胞を多く認めるようになり、膵ラ氏島の繊維化が徐々に進行することを確認した。 2)免疫組織学的検討で得られた結果をより定量的に評価するため、ウェスタンブロット法を用い、早期週齢OLETFラットおよび90%膵切除ラット単離膵ラ氏島における転写因子PDX-1の過剰発現と、高週齢のラット単離膵ラ氏島における増殖因子TGF-betaの過剰発現を確認した。 3)またラット膵組織免疫染色法、ラット単離膵ラ氏島を用いたウェスタンブロット法により、細胞内カルシウム増減に大きな役割を担っているカルシウム/カルモデュリン依存性蛋白質リン酸化酵素(CaM-キナーゼ)のうち、遺伝子転写調節に関わっているCaM-キナーゼIV (CaM-KIV)およびCaM-KIVの酵素活性を調節するCaM-Kキナーゼ(CaM-KK)蛋白の発現を確認し、さらに酵素の活性化も検討した。 本年度は上記の如く、膵ラ氏島の組織再生に関わる転写因子、増殖因子および酵素系の役割について明らかにし、今後展開していくべき、血管内皮増殖因子および超音波照射の組織再生におよぼす効果の検討に向け、その基盤を固めることに重点をおいて、研究に取り組んできた。
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