研究課題
医用画像のほとんどは動画として観察しているにもかかわらず、静止画のみの計測しか利用していない。動画では認知できる僅かな変位も静止画では分かり難いことを、これまでの研究で証明してきた。すなわち静止画では情報を棄てている。そこで我々は上部消化管内視鏡の動画像から得られる時間差による位置情報変化から3次元計測と定量的3次元画像化に成功した。この画像処理によって消化管の粘膜病変の形状と座標情報を定量的に得ることができるようにし、さらに時間的位相差による超解像技術と内視鏡動画像の3次元計測の精度向上を図るために、時間差だけではなく複数のビジョンチップによる空間的視差から超解像技術も試みた。そして消化管の粘膜の3次元的情報・表面の粗さなどを抽出・微細運動の解析を行い診断への寄与も試みた。平成15年度ではこれらの目的を果たすためには、現在のシステムでは画像精度に起因する限界がある。そのために精度と限界について検討するために、高画質の画像を内視鏡とデジタルカメラにて病理標本の画像を記録しサーバに保存し複数施設で共有する画像データベースサーバを構築した。また内視鏡画像の3次元化の研究を継続するとともに、これまでのシステムでは、同時間ではない視差画像を用いているため原理的に精度に問題がある。しかしレンズ間隔の固定された双眼内視鏡によりこの問題は解決できるので、我々の研究協力者である山田憲嗣氏らの開発した複眼ビジョンチップの導入を検討し、空間的視差画像によって精度向上を評価し、3次元化処理のためのアルゴリズムも検討した。また壁の構造評価と壁運動解析のアルゴリズムと運動の評価方法も検討した。
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