研究分担者 |
川平 和美 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (20117493)
辻尾 昇三 鹿児島大学, 工学部, 教授 (40081252)
田中 信行 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40041454)
余 永 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (20284903)
丸山 敦夫 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (80117548)
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研究概要 |
本研究の目的は,下肢装着の運動感知センサを利用して、低廉・コンパクトな歩行訓練システムを開発することにある。このシステムでは、下肢に荷重センサ,ジャイロセンサ,加速度計を装着して、足の接地状況や動きを患者自身に直接フィードバックする。本年度は、(1)片麻痺患者歩行の下肢位置計測データの収集により、各センサを使ったときの歩行評価方法の検討、(2)健常者に前記各センサを装着して,正常歩行および異常歩行の模擬歩行(棒足歩行および分回し歩行)を行わせ,センサによる異常歩行判別可能性の検討,を行った。 その結果,以下のような知見を得た。 1 患者の歩行動作計測と同時に10m歩行時間の計測を行った。歩行動作計測から求めた歩行速度と10m歩行時間から求めた平均歩行速度との関係を調べたところ,高い相関関係が見られた。このことから,短い歩行距離から求めた歩行速度でも,評価として妥当性のあることがわかった。 2 歩行速度と有意な相関を示したいくつかの評価項目をみいだすことができたが,中でも,歩行中の立脚時間は,歩行速度との間に,双曲線関数で近似できる反比例の関係にあった。このことは,発症後間もない,リハビリテーション開始期に見られるような麻痺程度の強いために歩行速度の低い患者においては,歩行速度そのものよりも,立脚時間で評価する方が,評価の精度のよいことがわかった。 3 下腿角速度と歩行速度との間に有意な相関関係が認められた。このことから,下腿装着ジャイロセンサにより,歩行評価が可能であることが示唆された。 4 健常者に麻痺模擬歩行をさせたところ,棒足歩行の判別は,下腿装着のジャイロセンサが有効であることがわかった。 以上の知見により,次年度は,下肢装着センサを使用した歩行機能回復訓練システムのソフトおよびハードを開発し,患者に対する実装テストにより有効性の検討を行う予定である。
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