研究概要 |
研究I:エコーロケーションによる仮想壁の定位が姿勢の制御に果たす役割 ○システムの構築 目的:研究1の実験で使用するシステムを構築する. システム内容:白杖をタッピングする際のパルス音をシミュレートした白色バースト音をマルチトラックレコーダに録音し,音源として用いた.マルチトラックレコーダからの音信号は2つに分岐され,1つはデジタルディレイを通過した後オーディオアンプに送られる.他方は直接オーディオアンプに送られる.オーディオアンプからは無響室内の2個のスピーカに出力される.音源の制御及びデジタルディレイによる遅延時間の制御はパーソナルコンピュータ上のプログラムにより操作される. ○実験I:エコーロケーションによる仮想壁の定位と姿勢の動揺との関連性の検討. 目的:前方方向に提示される仮想壁をエコーロケーションすることと姿勢の動揺との関連性を明らかにする. 実験の結果:身体の動揺の程度は姿勢の位置のばらつきにより評価された.それによると,前方方向のエコーロケーションパルスによる仮想反射面の移動により大きな姿勢の動揺は生じなかった. ○実験II:側面方向のエコーロケーションによる仮想壁の定位と姿勢動揺との関連性の検討. 目的:側面方向に提示される仮想壁のエコーロケーションによる定位が姿勢の動揺に及ぼす効果を明らかにする. 実験の結果:右側面方向に提示される仮想反射面の移動により,身体の動揺が認められた.それは,前方方向のエコーロケーションによる反射面の移動の場合よりも大きいという特徴が認められた.
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