研究課題/領域番号 |
15500382
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
松平 登志正 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (50131032)
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研究分担者 |
原 由紀 北里大学, 医療衛生学部, 助手 (50276185)
鈴木 恵子 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (40286381)
佐野 肇 北里大学, 医学部, 講師 (80205997)
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キーワード | 骨導補聴器 / 補聴器適合 / 装用利得 / 音響機械感度レベル / 気導骨導差 / 伝音難聴 / 人工マストイド |
研究概要 |
本年度は、主に骨導補聴器の音響特性から装用利得を予測する理論式の妥当性について検討した。 1.測定の精度の向上、能率化:骨導補聴器の振動出力特性を測定する際に、小型加振器とインピーダンスヘッド(申請設備)を用いて人工マストイドの感度較正を行い精度の向上を図った。骨導補聴器の特性測定を簡単に行うために、補聴器測定装置を改良して、気導受話器のカプラ出力の代りに人工マストイドの出力の周波数特性を表示できるようにした。 2.擬似難聴を用いた検討:聴力正常被験者10名を対象に、両側の外耳道にイヤモールド用印象剤を注入して擬似難聴を作り、気導骨導差と骨導補聴器の特性の測定結果から装用利得の予測値を計算した。次に、この補聴器を擬似難聴耳に装用させ装用利得を実測し予測値と比較したところ、周波数によっては10dBを超える系統誤差が認められた。 3.誤差の原因の検討:聴力正常被験者10名を対象に、骨導閾値測定用受話器と骨導補聴器の受話器を用いて聴覚閾値を測定し、閾値相当の振動の力のレベルを比較したところ、500Hzと3000Hzで両受話器間に平均5dB以上域値の力のレベルに差が認められた。この差を修正すると、予測値の誤差は10dB以内に改善した。そのほかの誤差の原因として、骨導補聴器のマイクの位置と外耳道入口部の音圧差、臨床的測定法による正常域値と0dB基準値とのずれ等について現在検討を行っている。 4.骨導語音聴覚閾値の受話器間差に関する検討:正常各20耳を対象に3種の骨導受話器により語音聴取域値を測定し、これに相当する力のレベルを測定したところ、有意な受話器間差が認められた。周波数特性の受話器間差が原因と結論した。したがって、現行JIS T1201-2のように単一の基準レベルを規定するには、受話器の周波数特性を規定することが必要との結論を得た(Audiol Jpn誌に投稿中)。
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