研究課題
基盤研究(C)
ペダリングは両脚交互運動のモデルとして注目され、片麻痺患者の筋再教育に有効な可能性がある。本研究では、ペダリングが、麻痺側下肢筋活動の促通と選択的・相的な活性化に有効であるという仮説を検証し、効果の神経生理学的機序と影響因子を明らかにする目的で、以下の研究を行った。1.麻痺側下肢への効果:膝の随意的伸展が困難な慢性期脳卒中片麻痺患者17名を対象に、5Nmの負荷で5分間ペダリングを行わせ、下肢筋活動の変化を検討した。その結果、ペダリング中に麻痺側下肢伸筋群と屈筋群に非麻痺側と相反的な相的活動が誘発され、大腿四頭筋と前脛骨筋の活動は随意的膝伸展時より有意に増加し、その効果は30分後まで持続した。以上からペダリングにより、重度片麻痺患者の下肢に相的かつ協調的な筋活動を誘発しうることが示された。2.H波の変化と麻痺筋への促通:片麻痺患者を対象にペダリング前後のH波の変化を検討し、Hmax/Mmaxの著明な減少を認めた(n=4)。さらに、歩行中の下肢筋活動を比較し(n=6)、ペダリング後に立脚期の麻痺側大腿四頭筋活動の促通を観察した。以上からペダリングは痙縮の調節や麻痺筋の促通を通して歩行能力を改善させることが示唆された。3.筋活動への影響因子:駆動姿勢の変化、駆動速度、ピッチ音のとり方、最大膝伸展角度の変化による筋活動への影響を検討し、臨床応用を行う上で有用な知見を得た。4.RCTの開始:以上を踏まえ、ペダリングの有効性を検証するためのRCTを開始した。介入群では、負荷5Nmでペダリングを1日1回7分間、週5回、4週間、対照群は、麻痺側膝屈伸運動を行わせた。ベースラインと4週後に、麻痺側ヒラメ筋Hmax/Mmax、歩行所要時間、歩数、両下肢筋活動を評価した。現在までに介入群5名、対照群4名が登録され、今後、各群10名程度を目標にエントリーした上で、結果を解析する予定である。
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