研究課題
平成16年度は視覚障害者が屋外を単独歩行する際の支援装置として「GPSを利用した視覚障害者道案内装置」について、また屋内における支援装置として「色分けされた誘導ラインを識別する白杖を用いた視覚障害者道案内装置」について引き続き研究を行った。GPSを利用した支援装置は、利用者が携帯するGPS装置またはGPSが利用できない際に使用する自立測位装置により利用者の位置を確認し、装置の持つ地図データベースを参照して目的地までの道案内を行うものである。今年度は昨年度に引き続きGPSと自立測位装置との並列動作の確実性を向上させた。具体的にはマルチスレッド動作により、二つの測位装置が同時に機能するようにソフトウェアを実装し、実際に東海大学湘南キャンパス内で健常被験者による歩行実験を行った。この際、特に被験者に対する音声案内の内容について検討し、視覚に障害を持つ被験者が歩行中不安を感じないような音声案内のあり方についての検討を行った。屋内における白杖を用いた歩行支援装置は、地下街や病院、劇場等の公共施設において視覚障害者の道案内を行うことを目的として開発を行っている。病院等には晴眼者用の道案内装置として床に色分けされたラインを引き、例えば赤のラインを辿ればX線検査室に至るというような誘導ラインが良く利用される。本研究はこのような晴眼者用の誘導ラインを視覚障害者の道案内にも利用しようとするもので、視覚障害者の利用する白杖の先端に取り付けられたカラーセンサにより色分けされたラインを検出し、所定の色のラインを白杖が横切ると白杖に取り付けられたバイブレータが振動し、そのことを利用者に知らせるというものである。昨年度までは赤および緑の2色のラインの検出が可能であったが、本年度はYxy色度表示を利用したディジタル的な色識別法を考案し、これにより現在8色以上の識別が可能になり、本装置の実用化に一歩近づく実績を挙げることができた。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (6件)
Proceedings of the 26^<th> Annual International Conference of the IEEE EMBS 04CH37558C
ページ: 4870-4873
ページ: 4900-4903
第43回日本エム・イー学会大会論文集 第42巻
ページ: 702
ページ: 704
ロボティクス・メカトロニクス講演会04講演論文集 04-4
ページ: 2A1-H-16-1-2A1-H-16-2
SICEシステムインテグレーション部門講演会論文集 04 SY 0013
ページ: 354-355