研究課題
基盤研究(C)
本研究は、自然の中で仲間と思いっきり楽しく遊び、活動する諸実践の分析を通じて、「フロー」状態にある子どもが、「他者」(自然、仲間、規範など)を、自らの身体に練り込む過程を、主として、市川の現象学的身体論やワロンの情動論の視角から明らかにした。茨城県で実施されている自然遊び・体験学習には様々なものがあったが、本研究では特に比較的長期の「夏の自然遊び合宿」(4泊5日)と「山中友子隊体験村」(29泊30日)に焦点をあて、分析・考察を深めた。前者については、「光るどろだんごづくり」を事例に、子どもたちが自然を身体に練り込む過程を、遊戯世界を構成する6つの契機((1)自由への離脱・没入・一体化、(2)どろだんごの変身、(3)遊び手とどろだんごの関係の深まり、(4)遊び手の二重存在、(5)独自の遊戯世界の生成、(6)遊び手のアイデンティティの確認)に分け、これらの「こころの契機」が、実は、意識下の身体のはたらき(例えば、体感、身体感覚、錯綜、受動的統合など)を基盤とし、それらに結びついてはじめて成立することを明らかにした。後者については、自然の中での1か月にわたる長期の体験学習が、喜怒哀楽をすべて含めた、深い「情動の体験」であること、また、子どもたちが「がんばり」と「協力・励まし合い」の体験を通じて、自らの身体に練り込んだ「他者」(他人、自然、仲間、リーダー、規範など)が、意識下の深い層に烙印され、意識下の他の「引き出し」と様々なかたちで錯綜しつつ、変質し、やがて、チャンネルとモードの切り替えによって、有意味な顕在的行動となって現れることを、「体験・追跡調査」によって明らかにした。
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