1.学校体育における被災からの教訓 (1)体育授業 例えば神戸市では被災地の学校のグラウンド約6割が直接被災や避難民の使用等で授業に支障をきたす事態になった。阪神間被災市町の中学校体育教師約560人への質問紙調査によると、そのときの苦労が、場所・用具が限定された条件下における効率的授業、授業内容と方法として現在も生きていると考える者が中堅層に多い。 (2)運動部活動 教訓としては、部活動そのもの考え方の変化、学校間交流・地域との連携の活発化、トレーニング法の工夫等が主なものであるが、「特に教訓なし」「元のとおり」との見解も目立つ。 2.保健体育教師における震災の教育内容化 「この3年間」に震災関連の内容を扱った被災地の体育教師は、ほぼ全員である。主として、震災そのものより「生命尊重」「心の教育」「防災教育」「人や地域との結びつき」、特に「人や地域との結びつき」が主題とされることが多い。しかし体育領域よりは保健領域で取り上げられている。 3.震災と子どもの遊び・スポーツ 震災時は、まず衣食住である。震災後1年間ほどの記録には、遊びやスポーツに関するものは少ない。発育・発達との関係で、子どもの遊びやスポーツは主要な復興課題になりにくい傾向があった。
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