研究概要 |
2003年4月からの知的障害者と大分大学学生とのダンスや福祉レクリエーション・サービスを通して、両者の「からだ」への意識変容を検証した。 ダンス活動では、活動を進めていく中で、大学生は戸惑いつつ,障害者との活動を進めていく過程で,知的障害者を観察し,健常者との違いを明確に把握することができた。他者と自分の違いを認識すること,他者の生を実感することは,健常者間でも求められる。しかしながら,知的障害者に実際に接することで,観念的でしかなかった「健常者」「知的障害者」の相違の根拠を認識することによって,自信を持って「他者と接する」ことができるようになった。それはまた自己の改革を導出することにもなった。 知的障害をもつ人々の生活をみると,彼らはその障害の特殊性から,生きるための生活そのものも家族やボランティアや福祉施設等の組織的支援への依存度が高い。そういうわけで,福祉レクリエーションの掛け声は少しずつ高まっているとはいえ,生活のなかに,「こころとからだ」の楽しみを日常的に求めることは困難な状態に置かれている等の考察に至った。 結論的には、知的障害者と大学生はダンス活動やレク・サービスを媒介とした交流で,「からだ」を実感する様々な体験を蓄積していき,お互いに生き生きとした「からだ」への認識を深めることができたと考えられる。
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