研究概要 |
乳幼児の四足歩行をDVカメラにて縦断的に記録し,その歩容の個体発達過程をHildebrand(1966)の歩容グラフ上に記述した。撮影の頻度は週1回,二足歩行移行後は年3〜6回程度を理想とした。今年度は新たに1名の記録を開始し,前からの対象10名のうち継続できたのは1〜6歳の8名であった。まず新規乳児の結果を述べる。 1.男児Aの事例。生後39週に腹這いを,44週に四つ這いを開始した。解析可能な四つ這いは二足歩行開始の52週からで,その時の歩容はLS(diag.cpts.)-very slow(walk),良く歩くようになった54週はTrot-slowであった。 次に以前からの継続幼児の結果を、前回の結果も加えて述べる。2歳以後の速さはmoderateで共通。 2.女児Bの事例。前回四つ這いを開始の37週と翌38週でLS(diag.cpts.)-very slow,今回42週まで同様,伝い歩きを開始した43週から二足歩行開始前の52週までTrot-slowであった。 3.女児Cの事例。前回良く歩くようになってからLS-slow,今回1歳4月でLS-moderate。 4.女児Dの事例。前回2歳3月でLS-moderate,今回2歳半と3歳でTrot-moderate,3歳3,月でLS。TrotとLSを往来するような結果であった。 5.女児Eの事例。前回1歳10月から2歳9月までTrot-moderateを示した。今回は3歳と3歳4月でLS(diag.cpts.)であったが,LS(single foot)に向かう方向性であった。 6.女児Fの事例。前回3歳でTrot,今回3歳3月と3歳10月で同様にTrotであったが,LSではなくDSに向かう方向性であった。 7.男児Gの事例。前回4歳から4歳半までLS。今回4歳9月と5歳半で同様であったが,LSの範囲を往来していた。 8.女児Hの事例。前回4歳から4歳8月でTrot今回4歳11月と5歳3月でも同様であったが,DSに向かう方向性であった。 9.男児Iの事例。前回4歳2月でLS(diag.cpts.),今回5歳4月と6歳でLS(single foot)であった3歳以上まで解析できた結果から,LS(single foot>に向かう,DSに向かう,一定範囲を往来する,の3パターンが示唆された。
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