研究課題/領域番号 |
15500425
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
阿部 生雄 筑波大学, 体育科学系, 教授 (20091936)
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研究分担者 |
真田 久 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (30154123)
大熊 廣明 筑波大学, 体育科学系, 教授 (30108790)
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キーワード | バレーボール / 運動会 / オリンピック / 水泳 / 日本的受容 / テニス / アスレティシズム |
研究概要 |
本研究は、運動会、バレーボール、オリンピック、水泳、テニスなどの近代スポーツの日本的受容について明らかにすることを目的とした。 運動会の日本的受容について以下のことが明らかになった。 わが国の運動会には、教科とは直接関係なくスポーツを楽しむ「競闘遊戯会」(海軍兵学寮)の系譜と、教科としての体操演習の成果を披露する「体操演習会」(体操伝習所)の系譜があるが、明治30年代に入ってこれら二つの系譜が交錯し、現在も行なわれている日本的な学校運動会が成立した。 バレーボールの日本的受容について以下のことが明らかになった。 バレーボールはYMCAによって日本に紹介されたが、やがて学校の課外活動として普及した。戸外で開かれた競技会において、日没による試合の中止を避けるため、サーブ件の有無に関わらずポイントする方式が考案され、やがて日本的なバレーボール(9人制)を成立させることになった。 オリンピックの日本的受容については、東京高等師範学校長の嘉納治五郎、初の日本代表選手である金栗四三をとりあげ、そのオリンピックとのかかわりを検討した。日本オリンピック委員会ではなく、大日本体育協会を設立したことが、国民体育の振興や青少年に対する教育的な面を重要視していたことの表れであり、これらのことが日本的な受容であることを示唆した。 水術については、嘉納の東京高等師範学校における高師流泳法について検討した。その結果、伝統的な水術を近代的に改編しつつ、教育的な意味をもたせて展開されたことが示唆された。
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