平成15年度における研究実績は主に以下に示すとおりである。 (1)国内における主要な非営利スポーツ団体(非営利活動法人湘南ベルマーレスポーツクラブ、非営利活動法人日本スポーツ振興協会、非営利活動法人スマイルクラブ、非営利活動法人ニッポンランナーズ、ほか)を対象に、企業協賛金を得るために実施したマーケティング活動(企業マーケティング)に関するヒアリング調査(主たる支援企業の有無、被支援内容の内訳、支援を受けるに至った経緯、被支援の条件の有無とその内容、など)を実施した。 (2)上記のヒアリングにより得られた情報をもとに、非営利団体における企業マーケティングの実際を、体系的に記述し、その類型化を試みた。 (3)非営利スポーツ団体に協賛金を提供している企業・団体等を対象に、支援の意図、具体的な提供資源(人材、資金、ノウハウ、告知協力、ほか)、支援の条件の有無やその内容、支援に際しての障害および今後の課題、等に関するヒアリング調査を実施した。 (4)主な結果として、(1)非営利スポーツ団体における企業マーケティングへの取り組みは、あまり活発ではなかったこと、(2)企業を母体として設立された非営利スポーツ団体において企業協賛金額からの収入の構成比が高いこと、(3)非営利スポーツ団体における企業マーケティング戦略を分析・検討するに際しては、個々の非営利スポーツ団体をその事業特性や組織特性から類型化することが必要であること、などが明らかになった。
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