研究課題
地球温暖化の進む今日、特に夏期スポーツ時の熱中症等への安全対策を含めて、暑熱環壌に対する順化のメカニズムや速やかに順化する方法開発への期待が高まっている。暑熱環境に対応できる能力を暑熱耐性とすると、1)暑熱下での運動トレーニングによって向上すること、2)この能力には個人差が大きいこと、はわかっているが、それらの生ずるメカニズムは明らかではない。そこで本研究では、1)大学生の暑熱時の体温調節特性を明らかにすることならびに効果的な冷却法の開発、2)暑熱反応に対する出身地域及びその生活環境との関連を考察することを目的とした。23人の大学生、大学院生を被験者として、運動時体温上昇時における、前腕皮膚血流量増大や換気量の増大を測定した。その結果、運動時の体温調節機構である前腕皮膚血流量増大反応と換気量増加反応とに密接な関係があることが示唆された。また、有酸素トレーニング効果の指標である各自の最大酸素摂取量と上記の前腕皮膚血流量増大反応と換気量増加反応との間にも相関か関係が見られた。以上のことから、運動トレーニングによって、体温調節反応や暑熱耐性が変化する可能性が示唆された。また、暑熱時運動時における活動部位(下肢)の冷却によって、その後の運動時の呼吸循環反応が大きく変化(軽減)することも明らかとした。さらに、暑熱耐性を示すパラメーター(前腕皮膚血流量変化など)と被験者の出身地域及びその生活環境との関連を考察中であるが、さらに被験者を増やし検討する必要がある。
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Journal of Physiology 557
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