研究課題
立位姿勢保持時に前方への不平衡を引き起こすような上肢運動では、上肢運動の主動筋に先行して、体幹や下肢の姿勢調節に関わる姿勢筋が活動を開始することが古くから知られている。反応動作では、予告信号から動作開始信号までの時間が3秒を境に脳内の準備状態が大きく変化することが報告されている。このような準備状態は、脳波の随伴性陰性変動(CNV)で把握できると考えられる。本研究では、立位における上肢運動時の予測的姿勢制御と随伴陰性変動(CNV)への準備時間の長さがおよぼす影響について検討した。警告刺激と反応刺激の間隔(準備時間)を、2、3、3.5sとした警告刺激-反応刺激-運動応答パラダイムにおいて、被験者は、反応刺激に対する遅れが可能な限り少なくなるように、急速な両側の上肢運動を行った。準備時間が3.5sにおけるCNV後期成分の積分値と傾きは、準備時間が2.0sにおけるそれらよりも有意に小さかった。腓腹筋において、三角筋に先行する活動は、準備時間が3.5sにおいて、3.0sのときよりも早期に開始した。CNV後期成分の積分値と腓腹筋の活動開始タイミングには、有意な相関が認められた。腓腹筋の活動開始タイミングが早期化した区間における腓腹筋の筋電図の相対振幅は、準備時間が3.5sにおいて、他の準備時間におけるそれよりも大きく、他の区間における腓腹筋の筋電図の相対振幅は、いずれの準備時間においても同様であった。CNV後期成分に反映される、準備時間の変化に伴う脳活動の変化と、局所筋に対する姿勢筋の先行活動との間に有意な相関関係が認められた。
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