研究課題/領域番号 |
15500448
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
スポーツ科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
中屋 豊 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50136222)
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研究分担者 |
蛯名 洋介 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (00112227)
上田 陽一 産業医科大学, 医学部, 教授 (10232745)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | 運動習慣 / モノアミンオキシダーゼ / ノルエピナフリン / セロトニン / マイクロダイアリシス / オレキシン / SPORTSラット |
研究概要 |
1)高運動習性ラットの交配を重ね18代まで行い、受精卵の保存も行っている。 2)特徴の検討においては、以下の点が明らかになり、成因についても知見が得られた。 a.本ラットは対照ラットに比し回転ケージにおいて10倍自発運動を行っており、体重は対照ラットよりも有意に軽かった。SPORTSラットにおいてはエネルギー消費量が高く、呼吸商が有意に低く、熱産生の原因となるUCP-1,3の発現が有意に多かった。赤血球やヘモグロビンなどの血液性状や血液生化学的特徴では、対照ラットとは差がなかった。 b.最大酸素摂取量についても運動開始時では差を認めなかった。また、行動学的にも異常は認めなかった。しかし、血圧が高く、心拍数が高いことより交感神経系の亢進が示唆された。 c.解剖では心肥大が認められた。脳の組織およびマイクロダイアライシスによる検討を中心におこなった。in situ hybridizationによる検討では海馬、線条体でのオレキシンの発現の増大がみられた。 d.組織では海馬においてノルエピネフリンの濃度が低く、海馬における組織潅流ではノルエピネフリン、セロトニンの濃度が高値を示し、その代謝産物の濃度の低下がみられた。MAO活性の測定の結果、活性の低下がみられ、このためノルエピネフリンの高値が生じたと考えられた。MAOAのcDNAの遺伝子異常はみられなかった。また、mRNAの発現の低下もみられなかったことより、翻訳あるいは分解の時点における異常が考えられた。 e.対照ラットへのMAOAの阻害剤の腹腔内への投与により、走行距離が増加したことより、MAOA活性の低下による、ノルエピネフリンの高値が本ラットの高運動性の原因と考えられた。 以上のように、海馬におけるモノアミンの変化が運動習性を規定していることが示唆された。
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