研究課題
本研究は、身体に対する認知が運動行動と食行動にどのような影響を及ぼすか、反対に運動行動と食行動の変容が身体に対する認知にどのような変化をもたらすかという問題について、社会文化的要因、パーソナリティ要因、体型要因を考慮して検討することを目的としている。前年度は、横断的研究により身体に対する認知に社会文化的要因、パーソナリティ要因、体型要因が影響していることを明らかにした。本年度は、縦断的研究方法を用いて、身体に対する認知と運動行動及び食行動との関係について検討を行った。対象は、大学生男女170名であった。研究から得られた主な知見は以下の通りである。1.身体に対する認知(身体的自己観、身体的自己効力感、社会的体格不安)と運動行動の関係を検討した。運動行動は、運動頻度、運動時間、運動強度で測定した。その結果、身体に対する認知は、運動の頻度や時間と関係することが示された。自己の身体に関する認識は、運動行動の動機づけ要因になっているといえる。2.身体に対する認知(身体的自己観、身体的自己効力感、社会的体格不安)と食行動の関係を検討した。食行動は、摂食に関する態度や行動(摂食の抑制、過剰摂食、食事に関する肯定的関心、社会的摂食、食統制の欠如)と摂食停止(認知・感情的終了、快感覚による終了、過剰感覚・物理的終了)により評価した。その結果、身体をネガティブに認知することによって、食行動に負の影響が及ぼされることが明らかになった。
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International Society of Sport Psychology 11^<th> World Congress of Sport Psychology Proceedings (発表予定)
九州体育・スポーツ学会第53回大会号
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