研究の目的:本研究の目的は、近代オリンピック開催国で実施されている「オリンピック教育」が、世界的に注目度の高い開会式の文化プログラムの中で如何に展開されており、またそれがどのようなスポーツ哲学や教育理念に基づいて実施されているのか、ということについて明らかにすることにある。 本年度の研究実績 1.文献収集とオリンピック開会式のテレビ映像および記録映像資料収集 オリンピック映像論、スポーツ映画論、オリンピック教育、開会式の記録等の文献の収集を行った。オリンピック映画および開会式の映像資料の収集・編集・整理を、特にビデオ作品化されていない映像を中心的に渉猟した。英語圏の作品はスイスのローザンヌのオリンピック博物館および海外共同研究者に依頼して収集した。 2.研究成果の公表、研究打ち合わせおよび専門的知識の聴取 これまでの研究成果の整理と今後の研究方向のフレームについて英語圏の国際学会にて報告し、その有効性と妥当性を世界に問うた。その際、外国のオリンピック研究者間で資料収集するネットワーク形成と研究情報を交換する機会として活用した。さらに、海外共同研究者との資料収集等の研究打ち合わせを行った。 ローザンヌのオリンピック博物館およびIOCオリンピック研究センターに依頼して、開会式の芸術プログラムおよび「オリンピック教育」に関する映像資料と関連資料を収集した。その際、専門的知識の提供を受けた。 3.資料の分析・整理 収集してきたオリンピックの開会式や教育資料の理念を抽出し、検索体制を整えつつある。英国、米国、カナダの英語圏各国で放映されたシドニーおよびソルトレイクの開会式のテレビ放映を収集し、その放映内容と解説を実際の取材記録および日本の放映と比較分析し整理しているところである。
|