研究の目的:本研究の目的は、近代オリンピック開催国で実施されている「オリンピック教育」が、世界的に注目度の高い開会式の文化プログラムの中で如何に展開されており、またそれがどのようなスポーツ哲学や教育理念に基づいて実施されているのか、ということについて明らかにすることにある。 本年度の研究実績 1.資料収集と整理:各国における「オリンピック教育」の現状に関する情報と開会式文化プログラムのテレビ映像資料の収集整理、および公式オリンピック映画のオリンピズムの象徴表現、公式報告書などの資料収集と整理を継続して行った。携帯コンピューターによる情報検索が有効であった。 2.2006年トリノ冬季オリンピック大会の実地調査:2006年2月に開催されたトリノ冬季大会の開会式における「オリンピック教育」と文化プログラムの関係について現地調査を行った。さらに、フィギュアスケート、アイスホッケー、スピードスケートの競技会場における文化プログラム展開の調査、および現地の市民広場における文化プログラムについて実地調査を行った。現地取材ではビデオ映像とデジタルカメラ映像を中心に撮影し整理中である。さらに、2006年トリノ大会開会式の英語圏における新聞報道や研究資料を収集し、オリンピック教育関連のデータを抽出し、資料整理すると共に分析解釈を進めている。 3.2004年アテネ大会の聖火リレー、オリンピック休戦、文化プログラムなどに関する研究成果の中間公表およびオリンピック文化研究資料収集およびまとめと整理:アテネオリンピック大会の開会式に見る子供の象徴的不在、聖火リレーとオリンピック休戦、アテネ市内の文化プログラムを中心に、国内外の関連学会において研究成果の中間公表を行うとともに文化プログラム関連の研究資料の収集を継続して行い、現在までに得られた資料の分析解釈を進めている。
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