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2006 年度 実績報告書

局所及び全身性運動時の尿中重炭酸イオン,NOXの動態と疲労指標としての意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15500458
研究機関東京医科大学

研究代表者

友田 あき夫  東京医科大学, 医学部, 教授 (10092793)

研究分担者 下光 輝一  東京医科大学, 医学部, 教授 (90206243)
阿部 晃久  東京医科大学, 医学部, 助手 (30201289)
キーワード全身運動 / 局所運動 / 尿中重炭酸イオン / 尿pH / 赤血球内pH
研究概要

本年度は次の2つのテーマについて研究を実施した。1)全身運動中および運動中止後の休止期における生体の生理学的指標の測定。2)全身運動後のクーリングダウン運動導入による疲労回復の科学的根拠の解明。具体的には、20才代の男性数名を対象者として、全身運動(タッチソフト運動)および運動終了後の休息期間において、種々の生理学的指標(血液中乳酸濃度、血液pH、血液重炭酸イオン、尿重炭酸イオン、尿pH、酸素消費量、最小呼吸量、呼気中炭酸ガス濃度、心拍数、血圧)を経時間的に測定した。その結果、全身運動中に上昇した呼吸数、脈拍数は10分以内に正常レベルまで戻ったが、運動中に血液に蓄積した乳酸は1時間かけて少しずつ減少し元のレベルまで戻った。これらの対象者は運動終了後、3時間休息をとったが、その間の変化として尿中重炭酸イオン濃度およびpHの急激な上昇が著明な変化として発見された。一方、運動終了後にクーリングダウン運動を30分導入することで、運動中に蓄積した血液中乳酸は30分以内に急激に減少するとともに、尿中重炭酸イオンは全く上昇せず、尿pHも変化しなかった。これらの結果から、激しい運動後にクーリングダウン運動を導入しない場合は、1)乳酸が大量に炭酸ガスへと代謝されさらに赤血球中で重炭酸イオンと水素イオンとに代謝されること、2)過剰な重炭酸イオンは血液より尿へと排泄される。これは呼吸数が休息期間では正常に戻っているため、血液中の重炭酸イオンは炭酸ガスとして呼気へは排泄されないためである、などのプロセスが考えられた。3)その結果、赤血球中に水素イオンが取り残され、赤血球の細胞内pHは減少し、ヘモグロビンの酸素親和性が低下して全身的なチアノーゼが引起される。これが運動終了後の疲労のメカニズムでないかと考えられた。また、クーリングダウン運動を導入した場合は、呼吸数の増加により、重炭酸イオンは炭酸ガスとして血液から呼気へと排泄されると考えられる。その結果尿には重炭酸イオンが検出されなかった。この場合、赤血球の細胞内pHの低下は起こらないと推定され、全身的なチアノーゼも軽減されると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] B2-Agonist, clenbuterol induced distribution changes of the number of white blood cells in rats2007

    • 著者名/発表者名
      K.Shirato, A.Tomoda
    • 雑誌名

      J. Pharmacol. Sci. (in press)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Cooling-down causes rapid consumption of blood lactate and no increase of urinary bicarbonate2007

    • 著者名/発表者名
      T.Moriguchi, A.Tomoda
    • 雑誌名

      Advances in Exercise and Sports Physiology (in submission)

  • [雑誌論文] Effects of two types of inactivity on the number of white blood cells in rats2006

    • 著者名/発表者名
      K.Shirato, A.Tomoda
    • 雑誌名

      Euro. J. Appl. Physiol. 98

      ページ: 590-600

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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