従来の健康管理においては、定期的な検診または医療機関への受診を余儀なくされるような不健康な状態に陥った場合においてのみ、保健施設、医療機関等の情報発生源が情報入力し、そのデータを保管する形態であった。このような情報発生においては、通常の健康な状態および医療施設の受診とまでならない程度の不健康な状態において情報が蓄積することはできない。個人の健康な状態が把握できなければ、どの程度、不健康であるのかも把握することは難しい。健康なときの情報を蓄積するには、現在おこなわれている定期的な健康診断の情報だけでなく、体力測定・運動能力の情報や体力や健康状態への自覚症状の情報等も積極的に蓄積することが望まれる。医療機関受診の予備軍状態である体力の低下、自覚症状を個人が情報入力源となり蓄積するための社会環境の整備を目指すものである。病院中心の医療記録から個人のライフスタイルにあわせた保健記録へ学校保健体育・地域活動との連携を含めた健康増進のための個人健康管理システムとして構築することを目指し、個人参加型健康管理のあり方について研究することとし、ネットワーク型健康情報データベースの開発をおこなうこととした。 平成15年度においては、生涯体力測定項目の決定と汎用入力ツールの開発をおこない、汎用型Webデータベースとして3W1R方式のデータベース構築をおこなった。これは、年齢に応じた測定項目の選択(なにを測定すべきか)とう、各個人が必要に応じて測定したい項目の継続記録が可能となるものである。まず、手始めとして学校教育の場での体力測定結果のデータベース化をおこない学生の体力データの蓄積をおこなっている。これらの成果として新しい汎用型Webデータベースのデータベース構造として、論文発表をおこなった。
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