研究分担者 |
斎藤 トシ子 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 助教授 (40339958)
川中 健太郎 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (80339960)
高久 明美 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 助手
佐野 明子 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 助手 (30339965)
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研究概要 |
近年、とくに若年者の生活習慣は、男女ともに大きく変化してきており、生活リズムや食生活の乱れが心身の健康に弊害をもたらすことが危惧される。とくに将来、医療に関わる専門職に従事する者を養成する機関においては、若年者自らの健康管理および医療に関わる専門家としての社会的ニーズに応えるべく教育指導することは、第一義的かつ急務の重点事項である。そこで、H15・16年の2回、若年の健康管理の1つとして超音波骨量測定、栄養アセスメント等を実施し、若年者の行動変容支援効果を骨の健康管理の側面から検討した。なお、本研究は新潟医療福祉大学倫理委員会の承諾のもとに実施した。 対象は、H15・16年ともに右踵骨超音波骨量測定(アロカ社 AOS-100),健康状態・食生活アンケート調査等を実施した男子12名,女子119名(2年7,41名;3年2,45名;4年3,33名)。H15年度の結果、男女それぞれ、右足踵骨骨量(OSI Z%(age-matched controlを基準(100%)とした時の割合)は、102.1±14.8%,103.0±12.4%を示し、男女ともに同性同年齢基準値の100%を上回っており、骨量は比較的よい状態であることが明らかとなった。H16年度の結果は、1年後の変化を中心に以下に示す。(1)身体状況:男女ともに身長・体重・BMIに有意な変化は見られなかった。(2)骨量:男女ともに同年代の平均値と同程度の値を示し、女子のみ1年後有意に低値を示した。(3)食生活状況等:女子のみ食生活に対する両年の意識について4群(高高群,低高群,高低群,低低群)に分け1年間の骨量およびカルシウムを多く含む食品摂取頻度(Caスコア)との関連性を検討した結果、両年ともに意識の高かった高高群は意識の低かった低低群に比べ、骨量において有意差は示されなかったものの高値を示し、Caスコアは有意に高値を示した。食に対する意識の高い者はCa摂取頻度も高かったが、1年間で骨量の増加にまでは至らなかった。これらの結果より、今後は積極的に介入し、健康増進支援のための指導を行っていくことが急務かつ重要であることが示唆された。
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