研究課題
基盤研究(C)
運動不足は心血管疾患の危険因子であり、心血管疾患予防のために有酸素運動が推奨されている。しかし運動は強度の如何によっては生体に酸化ストレスをもたらす可能性がある。酸化ストレスは動脈硬化など心血管系疾患の発症に関与すると考えられるが、一方では生体が酸化ストレスに曝された場合、防衛機構が働き、抗酸化酵素や抗酸化物質の産生が誘導され、酸化ストレスによる障害を防禦する。以上のことから本研究ではヒトを対象に有酸素運動を指導し、酸化ストレスの生体に対する影響と抗酸化防御機構のバランスから運動による動脈硬化予防の機序を明らかにすることを目的として本研究を遂行し次の結果を得た。1.生活習慣修正指導による効果の解析の結果、生体にかかる酸化ストレスに防御系や年齢、血圧、BMIが関与することが示され、酸化ストレスは身体活動の増加により軽減する。2.生活習慣の修正による降圧効果の違いには、介入前の酸化ストレスの状態や尿中NOxおよび最大酸素摂取量が関与しており、生活習慣の修正による有意な降圧は、他の心血管リスクの改善をもたらす。3.生活習慣修正指導の効果として血圧、BMI、脂質代謝、インスリン抵抗性、脂質過酸化の改善を認めた。生活習慣修正指導の降圧効果には、一部Nitric oxide(NO)生物学的利用度の変化が影響していると考えられた。4.有する危険因子の個数が増える(multiple risk factor)ほど各危険因子の重症度が増し、虚血性心疾患リスク増加の相乗効果を示唆する結果を得た。生活習慣修正指導により各危険因子の重症度の改善と危険因子の個数の減少がみられた。5.急性・慢性運動ともに活性酸素障害に対するヌクレオチド浄化機構を高め、酸化的DNA損傷の防止に効果があり、継続的な有酸素運動は、酸化的DNA損傷防止に効果的であることが示唆された。
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