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2004 年度 実績報告書

高齢者の健康寿命延長に最適な身体活動・運動に関する新しいガイドラインの作成

研究課題

研究課題/領域番号 15500503
研究機関(財)東京都高齢者研究・福祉振興財団

研究代表者

青柳 幸利  財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所, 副参事研究員 (50202495)

キーワード高齢者 / 身体活動 / 健康寿命 / 加速度センサー付体動計 / こころの健康 / からだの健康
研究概要

群馬県中之条町の65歳以上の住民約5000名を対象に研究を行った結果、高齢者の健康保持に最適な身体活動の量(1年間以上、毎日、終日の測定に基づく平均1日歩数)と質(健康によいと考えられている、安静時代謝の3〜6倍の活動に費やされる時間)が明らかになった。例えば、高齢者において、鬱や動脈硬化の予防、QOL(生活の質)の保持など、「こころの健康」を保つには平均1日歩数が約4000歩以上であればある程度の効果が得られるが、一方、歩行機能や骨密度、糖尿病など、筋の機能や代謝などに強く依存する「からだの健康」には量よりも質の高い身体活動が必要であること、加えて、いずれの場合も至適身体活動を基準に日間および季節間変動は小さいほうがよいことが分かった。また、これらの健康指標に関して、家事などの低強度の活動が1日全体に占める割合が比較的少ない男性は「質」を、一方、それが比較的多い女性は「量」をそれぞれ目安に身体活動を処方したほうがよいことが示唆された。そして、このような健康保持における至適身体活動に及ぼす気象条件の影響について調べたところ、我が国の高齢者では、身体活動の量は降雨量の増加に伴い約4000歩まで著しく(指数関数的に)低下することが分かった。この歩数は日常生活を行う上で最低限必要な活動量であり、換言すれば、現在問題となっている「閉じこもり(+鬱・睡眠障害)」の客観的な指標・基準となり得ると考えられる。さらに、降水量1mm以上の日を除いて分析すると、身体活動の量は日照時間、風速、湿度よりも、気温や日長(日出から日没までの時間)、特に前者の影響を強く受けることが明らかとなった。また、17℃前後をピークに気温が高くても低くても歩数(活動の量)は減少するが、代償的に体動レベル(活動の質)は増加する(つまりエネルギー消費量は一定に保たれる)傾向にあることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 足底の接地面積に着目した高齢者の歩行能力の定量評価2004

    • 著者名/発表者名
      嶌田聡, 青柳幸利
    • 雑誌名

      電子情報通信学会論文誌 J87-D-I・7

      ページ: 796-799

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Walking velocity measured over 5 m as a basis of exercise prescription for the elderly : preliminary data from the Nakanojo Study2004

    • 著者名/発表者名
      Aoyagi et al.
    • 雑誌名

      European Journal of Applied Physiology 93・1-2

      ページ: 217-223

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 高齢者における転倒発生のメカニズム -気象条件と身体活動量の観点から-2004

    • 著者名/発表者名
      青柳幸利, 朴眩泰, 東郷史治
    • 雑誌名

      福祉のまちづくり研究 6・1

      ページ: 6-10

  • [図書] シェパードの老年学-加齢・身体活動・健康-2005

    • 著者名/発表者名
      柴田博, 新開省二, 青柳幸利(監訳)
    • 出版者
      大修館書店(印刷中)
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [産業財産権] 環境温度制御装置2004

    • 発明者名
      青柳 幸利, 他3名
    • 権利者名
      ダイキン工業, 東京都老人総合研究所
    • 出願年月日
      2004-04-08

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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