研究概要 |
教師に求められる資質の中心をなす授業実践能力に関する研究はあくまでも健常児を対象としたものが多く、近年増加している障害児と健常児が共に学ぶ授業で必要とされる授業実践能力について評価することにはならない場合が多い。特に現在、家庭科は「障害児と健常児が共に学ぶ機会が多い教科」である。そこで本研究は、障害児と健常児が共に学ぶ家庭科授業のためには、教師として具体的にどのような授業実践能力が要求されているのかを探り、さらにその授業実践能力を教員養成の段階、現職教員の研修(再教育)の段階で、それぞれどのように形成すべきかの方策を明らかにすることを目的とする。 そこで本年度は、障害児と健常児が共に学ぶ家庭科授業、特別支援教育、教師の授業実践能力に関する先行研究および資料を収集・分析し、その結果をふまえて、障害児と健常児が共に学ぶ家庭科授業の現状,家庭科担当者への協力・支援体制に関する一次調査を2003年11月〜2004年1月に実施した。調査対象者は、全国の小・中学校における障害児と健常児が共に学ぶ家庭科授業を実践している(いた)家庭科担当教師360名であり、その結果を集計・分析し、各対象者に報告書を送付した。有効回収率71.4%であり、共に学ぶ家庭科授業に取り組んでいる担当師が何に困難を感じながら授業実践を行なっているのか,そして今どのような支援を求めているかが具体的に理解された。 さらに、調査対象者の中から本研究に参考となる実践を行っている教師を選出し,インタビュー調査を実施した。
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