研究概要 |
平成16年度の研究目的は,(1)多重債務者を対象とした価値観や金銭感覚についての調査することと,(2)米国における多重債務関連の消費者教育基礎資料の収集であった。(1)の調査については,調査対象である沖縄クレサラ会の都合により平成17年度にずれこんでいる。また,沖縄クレサラ会の平成16年度データについては集計・分析を終えた。(2)については,現在も継続中である。 1.論文執筆:これまで継続していたアメリカと日本を比較した金銭態度についての論文を2報,さらに口頭発表を1報した。(裏面参照)ここでは,金銭の持つ心理的,社会的,経済的な側面について日米比較している。この結果は,次年度予定の多重債務者調査につなげる。 2.沖縄クレサラ被害者の会のデータ分析:平成16年度の現状を分析した。(n=762) (1)相談者の年代は,30代(205人),40代(169人),20代(127人)の順となっている。 (2)多重債務に陥った原因は,生活費(48.4%),保証人・名義貸し(12.5%),事業資金(11.6%)の順である。 (3)国民年金を支払えない者が28.4%もおり,これは,将来の無年金者につながっている。 3.口頭発表及びポスター発表:(1)モノ,(2)ヒトとココロ,(3)社会システムという3つの側面から多重債務問題が発生するメカニズムについて言及した。また,多重債務に陥らないために消費者教育の重要性について述べた。
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